私が乗っている原付バイク・スクーター、ヤマハ アクシストリートなんですが、2年前ぐらいから、気温が下がり、寒い時期・冬になるとエンジンがかかりません。
エンジンボタンを押してキュルキュル言うのですが、エンジンが回ってくれません。
その場合は、キックを3~4回行った後にエンジン始動ボタンを2~3回押すと、なんとかエンジンがかかるという感じです。
昼間の温かい時間帯であれば、まだ上の方法でエンジンがかかるのですが、冬の朝の寒い時間帯は上の方法でもエンジンがかからず、とても苦労しています。
購入したバイク屋に持って行っても「エンジンがかかりやすい薬(カーボンクリーナー)をガソリンタンクに入れときました。これでしばらく様子を見てください」や「バッテリーの交換、フィルターの交換を行ったのでしばらく様子を見てください」という対応のみで、新しいバイクを買うしかないのかという状態でした。
今年も冬になったらめんどくさいなと思っていたのですが、なんと気温が少し下がり始めた9月末の時点で、エンジンがややかかりにくい症状が出てしまいました。
これはまずいぞと思い、ネットで本気で色々調べたところ「アーシング」という配線処理を行うことで、エンジンがかかりやすくなるという、記述を見つけました。
そこで早速、私も試してみることにしました。
アーシング前の前提条件
重複になりますが、アーシングケーブルを接続する前に、バイク屋さんで対応してもらったことは、下記の通りです。
- バッテリーの新品交換
- エンジン付近にある空気を吸い込むフィルターの交換
- スパークプラグの交換
- カーボンクリーナーの注入
これらを試しても寒い時期になると、バイクのエンジンがかかりませんでした。
あと、バイク購入してからそんなに時間が経過していない人は、配線・電気抵抗が大きくなっている可能性は低いので、別の原因かもしれません。
アクシストリートのアーシングに必要な工具・部品
右から「丸型端子」、「配線コード」、「電光ペンチ(圧着工具)」を用意します。全てAmazonで購入しました。
圧着工具ベンチ
工具ペンチは、電線の皮(被覆/ひまく)を剥いたり、丸型端子と電線を圧着するために使用します。
その他に、ボルトの切断機能なども付いている多機能なペンチです。コンセントの電源ケーブルを好きな長さにカットしたり、自由に配線を組みたい時に持っていると便利な工具です。
ペンチの機能としては、先端から「ケーブルのカット」「ケーブルと端子の圧着」「ボルト(ネジ)カット」「圧着端子の圧着」「電線の被覆」があります。
自動車用、配線コード
次にバッテリーからセルモーターに接続するための電源ケーブルです。
高温が発生するエンジン付近に配線するため、油や気候変化に優れた自動車用配線コードを使用します。
また細い電源ケーブルだと、発熱の危険性があるため、ある程度太さのあるケーブルを使用します。
丸型端子
バッテリーとセルモーターの端子に接続する丸型端子です。電源ケーブルサイズが2.0sqなのに、1.25sqまでの端子を買ってしまいました。ややきつめでしたが、何とか圧着出来ました。
結束バンド
100均のダイソーで売っている結束バンドです(電池やスマホケーブルなどが売っている電気コーナーに置かれています)。
ある程度、バンドに幅があり、エンジン近くで使用するという事で、耐候・耐熱タイプのものを選びました。
六角レンチ・六角ナットドライバー・ニッパー・手袋
原付バイクのバッテリーボックスを開ける時にネジを回すための六角レンチ、ヘルメットボックス・バッテリー・セルモーターの端子固定ネジを取り外すための六角ソケットレンチ(画像に写ってるニッパーは不要)が必要です。
六角レンチ・手袋は、ダイソーの工具コーナーで売っいます。六角のナットドライバーはダイソーで売ってませんでしたので、Amazonかホームセンターなので購入してください。
アーシングケーブルの配線手順
シートのロックを外す時に電気が流れるため、先にシートを開けて外していきます。
シートの根元には、2箇所六角のボルトで固定されているのでこれを外します。
もし、バイクのスイッチがオンになっている場合は、鍵を左に回してオフの状態にしてください。
続いて、足を置くスペースのゴムシートを外し、バッテリーカバーのネジを外します。バッテリーカバーで使われてるネジは星型タイプですが、六角レンチでも外せます。
バッテリーのマイナス端子からケーブルを外します。これで内部の電気は完全に切れました。
万が一、作業中にショートさせても、電気が通っていないため、火花が出たり壊れることはありません(内部に少し電気が残っているかもしれないけど大丈夫でしょ)。
電気が流れいない安全が確保された状態で、ヘルメットボックスを外していきます。
先頭に2箇所、後ろに2箇所、計4箇所六角ネジで固定されていますので、ボルトを外し、ヘルメットボックスを上に持ち上げます。
ちょっと寄り道しますが、ガソリンを給油する時に、たまにこぼして焦ってしまう時あります。
溢れた時用のために、外に逃がすためのホースがついていたので、これを見て安心しました。
ガソリン給油口の左側に、逃がすための穴が開いています。
本題に戻り、セルモーターにアーシング用のケーブルを取り付けます。ちょうど中央に赤丸で囲っているのがセルモーターです。
セルモーターの拡大画像です。ケーブル右側がプラス、マイナスが左側(モーターのお尻)になります。
バッテリーの画像を思い出して欲しいのですが、プラス側にはゴムキャップが付いており、セルモーターのプラス端子にもゴムキャップが付いています。
ですので「ゴムキャップが付いていない方の端子同士を接続する」と頭に入れておけば、間違ってプラスとマイナスをショートさせるようなことはありません。
バッテリーの方に戻り、配線が出てきている部分の隙間から、電気ケーブルを挿入します。
少し入れていくと、下の方からケーブルが出てきます(赤い丸の部分)。
上の画像を拡大した様子。分かりやすいように色付きのケーブルにすれば良かったですね。
バイクの右側(マフラーがある方)に、周りバイクの下に手を入れます。
斜めから、中を覗き電源ケーブルの位置を確認します。
手を入れて、一度電源ケーブルを引っ張り出します。
ケーブルを掴んだら、上の方に向けて手を入れ、ケーブルを這わせます。後はケーブルが傷つかないように、ゆっくりとセルモーターの部分まで引っ張ります。
そして、ケーブル先端の被覆を剥がして、丸型端子を圧着します。
セルモーターのネジを外します。
ちなみに、セルモーターを固定しているネジの太さは5.8cmです。丸型端子の大きさを選ぶ際の参考にしてください。
電線に丸型端子に圧着する方法
約1cm程、工具を使って電線の皮(被覆/ひふく)を剥きます。ケーブルが2sq(電線の太さ)なので、2.0の所の位置で剥くと丁度いいです。
電源ケーブル先頭から、1cmの位置に刃が当たるようにして、ペンチを噛ませます。
後は電線を覆っている皮を引っ張り剥がします。
続いて、圧着端子の接続部分に電線の位置を合わせます。
U字の方向に圧着端子の開いている側を入れて、工具で握って押し込み圧着します。
ゆっくりと力を入れていきます。
圧着後の接続部分の様子。圧着端子が1.25sqまでなのに対し、電線が2sqなので、ちょっとあふれ気味になってしまっています。がまぁいいでしょう。
続いて、電線の皮の部分も同じように圧着します。皮がある分厚みがある為、一つ上の大きい穴で圧着します。
電線をモーター・バッテリーに取り付ける
モーターについている六角ネジを外して、先ほど圧着した丸型端子を取り付けます。
続いて、100均のダイソーで購入してきた結束バンドを使い、電気ケーブルを固定します。私は上記画像のように3か所固定しました。
続いて、バッテリーの方に戻り電源ケーブルを軽く引っ張り、内部でケーブルがたわまないようにします。
因みに、電源ケーブルの長さは88cmにしました。
そして、マイナス端子側までケーブルを持って行き、少し余裕を持たせてからカットし、先程と同じように丸型端子を圧着します。
マイナス端子部分の拡大画像。最後にバッテリーボックス、ヘルメットボックス、シートを取り付け元の状態に戻し、アーシングケーブルの取り付けが完了です。
圧着工具ペンチを持っていない方へ
アーシングを行ってても、確実にエンジンがかかりやすくなる保証はないのに、圧着工具を買うのはもったいないと思う人は、上記の様に電線をネジに巻き付けて試す方法もあります(ちょっと電線の皮を剥くのが長すぎた・・・)。
これだと、バイクを分解する工具と電線ケーブルだけで済みます。
これで、一時的にアーシングのテストを行い、エンジンのかかり具合が改善されるようなら、圧着工具を購入してしっかり電線を固定する方法もありじゃないかなと思います。
寒くてもボタンでエンジンがかかるようになった!
アーシングケーブルを接続した後、気温が下がる朝方に何回かエンジンをかけたところ、ほぼ一発でかかるようになり、かなり快適になりました。
ただ一度だけ、一発でかからない時が有ったので、予備的にセルモーターの交換をタイミングを見て行いたいと思います。
必要な工具・パーツ一覧
配線に必要な物・工具
バイク分解に必要な工具
バッテリー端子、シート、ヘルメットボックス、セルモーターの各六角ネジを回す際に使用
バイク分解に必要な工具(100均ダイソーなどで手に入る)
アーシングケーブルを固定するのに必要
バッテリーボックスの蓋を開けるのに使用
汚れや傷がつかないように手を守る。
さいごに
冬場に原付バイクのエンジンがかからなくて困っている方は、一度アーシング試してみる価値はあります。
工具が揃っていれば、配線代で済むので、改善しなくても費用的に痛くないと思います。
もし、記事の冒頭に書いた「アーシング前の前提条件」を行ったうえで、アーシングをしてもダメなら、私なら次はセルモーターの交換を試してみると思います。
あと、私は購入時から3年ぐらい、屋根が無い場所でバイクを雨の日でもそのまま止めていたのですが、面倒でも雨が降りそうな時は、バイクカバーかけた方が良いです。
雨ざらしだと、内部が錆びてきますので、このようなトラブルが増えてくると思います(サイドミラーのアームの部分や、ライトが点灯しなくなったので見てもらったら錆が原因でした)。
冬場、エンジンがかかりにくい方、大変だと思いますが頑張って原因を突き止めてみてください!
2024年1月17日 追記
本格的に寒くなってきまして、気温が一桁台の時期に突入しました。温かい時期は、エンジンボタンを0.7秒押し続けるとエンジンがかかりますが、この時期は2秒くらい押し続ける必要があります。
ただ、それでもエンジンがかからなかったことを考えると大きな改善です。費用も安いので、同じような症状でお困りの方は、ぜひ試してみてください!
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