
PDFを印刷したところ、画面で見たときより文字や図が小さくなったり、用紙の周囲に予想以上の余白ができたりすることがあります。
多くの場合は、AcrobatやAcrobat Readerの印刷設定で「合わせる」や「特大ページを縮小」が選ばれ、PDFがプリンターの印刷可能領域に収まるよう自動縮小されていることが原因です。
元のPDFと同じ寸法で印刷したい場合は、印刷画面の「実際のサイズ」を選択します。
この記事では、PDFを100%の倍率で印刷する方法と、それでも小さくなる場合に確認する設定を解説します。
PDFを実際のサイズで印刷する方法
Adobe AcrobatまたはAcrobat Readerでは、次の手順でPDFの拡大や縮小を行わずに印刷できます。
- 印刷したいPDFをAdobe AcrobatまたはAcrobat Readerで開きます。
- Windowsでは「メニュー」から「印刷」を選ぶか、キーボードの「Ctrl」キーと「P」キーを同時に押します。
- Macでは「ファイル」から「プリント」を選ぶか、「Command」キーと「P」キーを同時に押します。
- 印刷画面の「ページサイズ処理」で「サイズ」を選択します。
- 倍率の設定から「実際のサイズ」を選択します。
- プリンターに入っている用紙と、印刷画面で選択されている用紙サイズが一致していることを確認します。
- 右側のプレビューを確認し、問題がなければ「印刷」をクリックします。
「実際のサイズ」が見つからない場合は、「カスタム倍率」を選び、倍率を「100%」に設定しても同じように等倍で印刷できます。
大量に印刷する前に、まず1ページだけ試し刷りすることをおすすめします。
「実際のサイズ」「合わせる」「特大ページを縮小」の違い
AcrobatやAcrobat Readerの印刷画面には、似たような倍率設定が複数あります。
設定ごとの違いは次のとおりです。
| 設定 | 印刷時の動作 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 実際のサイズ | PDFを拡大・縮小せず、100%の倍率で印刷します。 | 申請書、型紙、図面、定規付き資料など、寸法を保ちたい印刷に向いています。 |
| 合わせる | PDFが用紙の印刷可能領域に収まるように拡大または縮小します。 | 寸法よりも、内容を欠けずに1枚へ収めたい場合に向いています。 |
| 特大ページを縮小 | 用紙より大きいPDFだけを縮小し、小さいPDFは原寸のまま印刷します。 | サイズの異なるページをまとめて印刷する場合に向いています。 |
| カスタム倍率 | 指定したパーセントでPDFを拡大または縮小します。 | 100%での印刷や、97%などの細かな調整に向いています。 |
PDFを用紙いっぱいに見せることと、PDFを実際のサイズで印刷することは同じではありません。
正確な寸法を優先する場合は「実際のサイズ」、内容が欠けないことを優先する場合は「合わせる」を選びます。
PDFを印刷すると小さくなる主な原因
「合わせる」が選択されている
最も多い原因は、ページサイズ処理で「合わせる」が選択されていることです。
プリンターには、用紙の端まで印刷できない範囲があるため、「合わせる」を選ぶとPDFが印刷可能領域に収まる大きさまで縮小されます。
A4サイズのPDFをA4用紙へ印刷する場合でも、プリンターの余白を確保するために95%から98%程度へ縮小されることがあります。
PDFと印刷用紙のサイズが一致していない
A3サイズのPDFをA4用紙に印刷すると、用紙へ収めるために大きく縮小されます。
A4とレターサイズも寸法が異なるため、設定が入れ替わっているとわずかに縮小されることがあります。
印刷画面やプリンターのプロパティで、A4、A3、B5などの用紙サイズを確認してください。
プリンタードライバーでも縮小されている
Acrobat側を「実際のサイズ」にしても、プリンターのプロパティで拡大・縮小印刷が有効になっていると、再びサイズが変更されます。
プリンターの「プロパティ」や「詳細設定」を開き、「用紙に合わせる」「フィット」「拡大縮小」「出力用紙に合わせる」などの項目を確認します。
プリンター側に倍率の項目がある場合は100%に設定します。
2ページを1枚にまとめる設定が有効になっている
「複数」「2in1」「割り付け印刷」「ページ集約」などが選ばれていると、複数のページを1枚へ配置するため、1ページごとの内容が小さくなります。
通常の大きさで印刷する場合は、ページサイズ処理を「サイズ」に戻し、プリンター側の割り付け設定も「1ページ」にします。
ブラウザーからPDFを印刷している
ChromeやEdgeなどのブラウザーでPDFを開くと、ブラウザー独自の印刷設定が使用されます。
初期設定で用紙に合わせる処理が行われたり、Acrobatとは異なる倍率が適用されたりすることがあります。
正確なサイズが必要なPDFは、いったんパソコンへダウンロードし、Adobe AcrobatまたはAcrobat Readerで開いて印刷する方法が確実です。
PDFのページ自体に大きな余白がある
PDFの用紙サイズが正しくても、ページ内の文字や画像が小さく配置されている場合があります。
特にスキャンして作成したPDFは、原稿の周囲に大きな白い余白が含まれやすくなります。
この場合は「実際のサイズ」で印刷しても、余白を含むPDFページ全体が100%で印刷されるため、中央の内容は小さいままです。
「実際のサイズ」にしても小さく印刷される場合の対処法
カスタム倍率を100%にする
印刷画面で「カスタム倍率」を選び、数値を「100%」に設定します。
「実際のサイズ」と同じく等倍印刷ですが、倍率が数値で表示されるため、設定を確認しやすくなります。
PDFのページサイズを確認する
AcrobatまたはAcrobat Readerで「ファイル」から「プロパティ」を開き、PDFのページサイズを確認します。
Windowsでは「Ctrl」キーと「D」キー、Macでは「Command」キーと「D」キーを同時に押してプロパティを開くこともできます。
PDFがA4だと思っていても、実際にはA3、レター、独自サイズで作成されていることがあります。
プリンターの用紙サイズと倍率を確認する
印刷画面で使用するプリンターを選び、「プロパティ」を開きます。
原稿サイズ、出力用紙サイズ、倍率、割り付け印刷の4項目を確認してください。
原稿サイズと出力用紙サイズを同じサイズにし、倍率を100%、割り付けを1ページに設定します。
項目名や表示場所は、プリンターのメーカーや機種によって異なります。
別のPDFを印刷して原因を切り分ける
別のA4サイズのPDFも小さくなる場合は、プリンターやプリンタードライバーの設定が原因と考えられます。
特定のPDFだけが小さくなる場合は、そのPDFのページサイズ、余白、または文書に保存された印刷設定を確認します。
実際のサイズで印刷すると端が切れる理由
「実際のサイズ」を選ぶと、PDFはプリンターの印刷可能領域に関係なく100%の倍率で配置されます。
PDFの文字や線が用紙の端近くまである場合は、プリンターが印刷できない部分にはみ出し、端が切れることがあります。
これは印刷設定の不具合ではなく、PDFの内容とプリンターの印刷可能領域が合っていないことが原因です。
内容を欠けさせたくない場合は「合わせる」を選ぶか、カスタム倍率を97%などへ少し下げます。
寸法を変えられない図面や型紙では、ひと回り大きい用紙へ100%で印刷してから、必要に応じて周囲を切り落とします。
フチなし印刷に対応したプリンターでも、白い縁を防ぐために画像をわずかに拡大する機種があるため、正確な寸法が必要な印刷では注意が必要です。
図面や型紙を正確な寸法で印刷する時の確認項目
図面、型紙、方眼紙、申請書などは、数%の縮小でも寸法が変わってしまいます。
正確な大きさが必要な場合は、次の項目を確認してください。
- AcrobatまたはAcrobat Readerのページサイズ処理を「実際のサイズ」にします。
- カスタム倍率を使用する場合は100%にします。
- PDFのページサイズとプリンターの用紙サイズを一致させます。
- プリンタードライバー側の拡大・縮小や割り付け印刷を解除します。
- 縦向きと横向きが正しいかをプレビューで確認します。
- PDF内に寸法確認用の目盛りや線がある場合は、試し刷りして定規で測ります。
たとえばPDF内の100mmの線が印刷後に97mmになっていれば、どこかで約97%の縮小が行われています。
Acrobatとプリンターの両方に倍率設定があるため、二重に縮小されていないかを確認することが重要です。
複数の用紙サイズが混在するPDFを印刷する場合
A4とA3など、異なるページサイズが1つのPDFに含まれていることがあります。
対応する用紙を複数の給紙トレイへセットできるプリンターでは、印刷画面の「サイズ」にある「PDFのページサイズに合わせて用紙を選択」を有効にすると、ページサイズに応じた用紙を選択できます。
すべてをA4用紙へ印刷する場合は、A3ページが縮小されるため、原寸にはなりません。
全ページを実際のサイズで出力するには、それぞれのPDFページと同じ大きさの用紙が必要です。
よくある質問
「実際のサイズ」と「100%」は同じですか?
基本的には、どちらもPDFを拡大・縮小せずに等倍で印刷する設定です。
「実際のサイズ」が表示されない場合は、カスタム倍率を100%にしてください。
A4のPDFをA4用紙に印刷しても小さくなるのはなぜですか?
「合わせる」が選ばれていると、プリンターが印刷できない用紙端の余白を確保するために、A4同士でもわずかに縮小されることがあります。
用紙の端が切れてもよい場合や、PDFの周囲に十分な余白がある場合は「実際のサイズ」を選びます。
無料のAcrobat Readerでも実際のサイズで印刷できますか?
無料のAcrobat Readerでも「実際のサイズ」や「カスタム倍率」を使用できます。
PDFを編集する機能は必要ありません。
印刷プレビューの倍率が100%なら必ず正確ですか?
Acrobat側が100%でも、プリンタードライバー側で縮小や拡大が設定されていると寸法が変わります。
正確さが必要な場合は、試し刷りした基準線を定規で測って確認してください。
まとめ
PDFを印刷すると小さくなる場合は、まず印刷画面の「ページサイズ処理」で「サイズ」を選び、「実際のサイズ」に変更します。
項目が見つからない場合は、「カスタム倍率」を100%に設定してください。
それでも縮小される場合は、PDFと用紙のサイズ、プリンタードライバーの倍率、割り付け印刷、ブラウザーの印刷設定を順番に確認します。
実際のサイズでは用紙の端が切れることがあるため、正確な寸法と内容を欠けさせないことのどちらを優先するかによって設定を使い分けましょう。
