
Adobe AcrobatでPDFを編集できない場合は、PDFの保護設定、デジタル署名、PDF/A表示モードなどが原因になっている可能性があります。
無料のAcrobat ReaderやブラウザーでPDFを開いているため、編集機能を利用できないケースもあります。
PDFを開くことはできても、文章の変更、画像の差し替え、ページの削除などが禁止されている場合もあります。
この記事では、AcrobatでPDFを編集できない原因の確認方法と、それぞれの対処法を解説します。
- PDFを編集できない時に最初に確認すること
- 無料のAcrobat ReaderではPDF本文を直接編集できない
- ブラウザーでPDFを開いているため編集できない
- PDFのセキュリティ設定で編集が禁止されている
- デジタル署名されたPDFは編集が制限される
- PDF/A表示モードで読み取り専用になっている
- 保護ビューでPDFを開いている
- スキャンしたPDFは文字が画像になっている
- ファイルや保存先が読み取り専用になっている
- 一部の文字だけ編集できない場合
- Acrobatの契約・ログイン状態を確認する
- Acrobatを更新・修復する
- 特定のPDFだけ編集できない時の確認順序
- すべてのPDFを編集できない時の確認順序
- PDFを編集できない時によくある質問
- まとめ
PDFを編集できない時に最初に確認すること
PDFを編集できない場合は、次の項目を順番に確認すると原因を切り分けやすくなります。
- 無料のAcrobat Readerで開いていないか確認します。
- ChromeやEdgeなどのブラウザーで開いていないか確認します。
- PDFのセキュリティ設定で編集が禁止されていないか確認します。
- PDFにデジタル署名や証明書が追加されていないか確認します。
- PDF/A表示モードで読み取り専用になっていないか確認します。
- 画面上部に保護ビューの警告が表示されていないか確認します。
- スキャン画像として保存されたPDFではないか確認します。
- ファイルや保存先が読み取り専用になっていないか確認します。
すべてのPDFを編集できない場合は、Acrobatの契約状態やアプリ側の問題が疑われます。
特定のPDFだけを編集できない場合は、そのPDFに設定された保護、署名、PDF/Aなどを確認してください。
無料のAcrobat ReaderではPDF本文を直接編集できない
無料のAcrobat Readerでは、PDF本文に含まれる文章や画像を直接編集できません。
PDF本文の文章変更、画像の差し替え、ページ編集などには、Acrobat StandardまたはAcrobat Proなどの編集機能が必要です。
Acrobat Readerで「編集」を選択した時に契約画面が表示される場合は、現在のライセンスでは編集機能を利用できません。
無料のAcrobat Readerでも、次の操作は利用できます。
- PDFの閲覧と印刷ができます。
- 付箋、ハイライト、図形などのコメントを追加できます。
- 入力可能なフォームへ文字を入力できます。
- 電子サインやチェックマークを追加できます。
PDFに文字を追加したいだけであれば、コメントやフォーム入力機能で対応できる場合があります。
すでに書かれている文章そのものを修正したい場合は、有料版Acrobatの編集機能が必要です。
有料版を契約しているのに編集できない場合
Acrobatを契約していても、無料版のAcrobat ReaderでPDFを開いていると編集機能を利用できません。
アプリの名前やヘルプ画面から、現在起動している製品がAcrobat ReaderではなくAcrobatであることを確認してください。
AcrobatとAcrobat Readerの両方がインストールされている場合は、PDFを右クリックして有料版のAcrobatから開きます。
契約時に使用したAdobeアカウントでログインしているかも確認してください。
ブラウザーでPDFを開いているため編集できない
Chrome、Edge、FirefoxなどのブラウザーにはPDFの表示機能がありますが、デスクトップ版Acrobatと同じ編集機能は利用できません。
ブラウザー上でPDFを開いている場合は、PDFをパソコンへダウンロードしてください。
- ブラウザーのダウンロードボタンからPDFを保存します。
- 保存したPDFを右クリックします。
- 「プログラムから開く」または「このアプリケーションで開く」を選択します。
- Adobe Acrobatを選択します。
- Acrobat上部の「編集」を選択します。
ブラウザーに「Acrobatで開く」が表示されている場合は、そのボタンからデスクトップ版へ切り替えられます。
PDFのセキュリティ設定で編集が禁止されている
PDFには、閲覧、印刷、編集、コピー、コメント追加などを個別に制限できるセキュリティ機能があります。
PDFを開ける場合でも、権限パスワードによって編集だけが禁止されていることがあります。
PDFの編集権限を確認する方法
- Acrobatで編集できないPDFを開きます。
- Windowsでは左上のメニューから「文書のプロパティ」を選択します。
- Macでは「ファイル」から「文書のプロパティ」を選択します。
- 「セキュリティ」タブを開きます。
- 「文書に関する制限の概要」を確認します。
- 「文書の変更」が「許可しない」になっていないか確認します。
「文書の変更」が許可されていない場合は、Acrobatの不具合ではなくPDF側の保護設定が原因です。
ページの挿入や削除だけが禁止され、フォーム入力やコメント追加は許可されている場合もあります。
文書を開くパスワードと権限パスワードの違い
PDFのパスワードには、文書を開くためのパスワードと操作を制限する権限パスワードがあります。
文書を開くパスワードは、PDFを表示する時に入力するパスワードです。
権限パスワードは、編集、印刷、コピー、コメント追加などの制限を変更するためのパスワードです。
PDFを開くためのパスワードを知っていても、権限パスワードが分からなければ編集制限を解除できない場合があります。
自分が作成したPDFの保護を解除する方法
自分で作成したPDFで権限パスワードが分かる場合は、有料版Acrobatから保護を解除できます。
- 有料版AcrobatでPDFを開きます。
- 「すべてのツール」から「PDFを保護」を開きます。
- 「セキュリティのプロパティを設定」を選択します。
- 「セキュリティ」タブを開きます。
- 「セキュリティ方法」から「セキュリティなし」を選択します。
- 権限パスワードを求められた場合は正しいパスワードを入力します。
- 確認画面で「OK」を選択します。
- PDFを保存して開き直します。
無料のAcrobat Readerでは、PDFに設定されたパスワード保護を解除できません。
元の保護されたPDFを残したい場合は、「名前を付けて保存」で別のファイルとして保存してください。
権限パスワードが分からない場合
権限パスワードが不明な場合は、PDFの作成者や送信者に編集可能なファイルを依頼してください。
会社や行政機関から配布されたPDFは、内容の改変を防ぐために意図的に編集が禁止されていることがあります。
オンラインのロック解除サービスへ機密情報や個人情報を含むPDFをアップロードすることは避けてください。
編集する権限がないPDFの保護を無断で回避しないようにしてください。
デジタル署名されたPDFは編集が制限される
デジタルIDやデジタル証明書で署名されたPDFは、署名後の改ざんを防ぐために編集が制限されます。
編集すると署名が無効になるため、Acrobatが文章変更やページ編集を禁止することがあります。
画面上部に署名済みであることを示すメッセージが表示されている場合は、署名パネルを確認してください。
自分だけが署名したPDFの場合
自分だけが署名者であり、文書が完全にロックされていない場合は、自分の署名を削除できることがあります。
- PDF上にある自分の署名を右クリックします。
- 「署名をクリア」を選択します。
- 署名が削除されたことを確認します。
- 必要な編集を行います。
- 編集後に改めて署名します。
署名を削除できない場合は、「署名後に文書をロック」が有効になっている可能性があります。
完全にロックされたPDFでは、署名者本人でも編集できない場合があります。
他の人が署名したPDFの場合
他の人が署名したPDFは、原則として受信者側で署名を削除できません。
PDFの作成者や署名者に、署名前のPDFまたは作成元ファイルを用意してもらってください。
複数の人が署名したPDFを編集すると、すでに追加された署名の有効性が失われる可能性があります。
契約書や申請書では、編集済みの新しいPDFを作成して最初から署名し直す方が確実です。
電子サインとデジタル署名は異なる
「入力と署名」や「電子サイン」で追加した手書き風の署名と、デジタル証明書を使用した署名は仕組みが異なります。
手書き風の電子サインを配置しただけでは、必ずしもPDF全体がロックされるわけではありません。
証明書を使用したデジタル署名では、署名後の変更が制限されることがあります。
署名パネルを開くと、証明書による署名が追加されているか確認できます。
PDF/A表示モードで読み取り専用になっている
PDF/Aは、電子文書を長期間保存するために作られた国際規格です。
AcrobatでPDF/A準拠文書を開くと、内容が変更されないように読み取り専用で表示されることがあります。
画面上部にPDF/Aモードで開いていることを示すメッセージが表示されている場合は、PDF/A表示モードを確認してください。
PDF/A表示モードを解除する方法
- Acrobatを起動します。
- Windowsでは左上のメニューから「環境設定」を選択します。
- Macでは「Acrobat」から「環境設定」を選択します。
- 左側の分類から「文書」を選択します。
- 「PDF/Aモードで文書を表示」を確認します。
- 設定を「適用しない」へ変更します。
- 「OK」を選択して環境設定を閉じます。
- 対象のPDFを閉じてから開き直します。
- 「編集」を選択して文章や画像を選択できるか確認します。
PDF/A表示モードを解除しても、ファイルに設定されたパスワードや署名の制限は解除されません。
PDF/A以外の原因が重なっている場合は、セキュリティ設定や署名も確認してください。
PDF/Aの原本は残しておく
PDF/Aは長期保存を目的とした形式のため、編集によって規格への準拠状態が変わる可能性があります。
公文書、電子帳簿、契約書などでは、PDF/Aの状態を維持する必要がある場合があります。
編集前のPDF/Aファイルを残し、「名前を付けて保存」で編集用のコピーを作成してください。
提出先からPDF/A形式を指定されている場合は、編集後にPDF/Aへ変換し直して準拠状態を確認してください。
保護ビューでPDFを開いている
インターネットやメールから取得したPDFは、安全性を確保するために保護ビューで開かれることがあります。
保護ビューではPDFが読み取り専用になり、編集などの機能が無効になります。
画面上部に黄色の警告バーが表示されている場合は、メッセージの内容を確認してください。
- PDFの送信元とファイルの内容が信頼できることを確認します。
- 画面上部の「すべての機能を有効にする」を選択します。
- PDFが通常表示へ切り替わったことを確認します。
- 「編集」を選択して操作できるか確認します。
送信元が不明なPDFや不審なPDFでは、「すべての機能を有効にする」を選択しないでください。
保護ビューを環境設定から常時無効にすると安全性が低下するため、信頼できるPDFだけを個別に許可する方法が適しています。
スキャンしたPDFは文字が画像になっている
紙の書類をスキャンして作成したPDFでは、ページ全体が1枚の画像として保存されていることがあります。
画像内に写っている文字は通常のテキストではないため、そのままクリックして編集できません。
スキャンしたPDFの文字を編集するには、OCRによるテキスト認識が必要です。
- 有料版AcrobatでスキャンしたPDFを開きます。
- 画面上部の「編集」を選択します。
- 自動的にOCRが開始された場合は処理が完了するまで待ちます。
- 自動認識されない場合は「すべてのツール」から「スキャンとOCR」を開きます。
- 「テキスト認識」を選択します。
- 文書の言語として日本語を選択します。
- 認識処理を実行します。
- 「編集」に戻り、文字を選択できるか確認します。
元画像がぼやけている場合や文字が小さい場合は、OCRで正しく認識できないことがあります。
OCR後は誤字、数字、日付、氏名などが正しく認識されているか確認してください。
ファイルや保存先が読み取り専用になっている
PDF自体に編集制限がなくても、ファイルや保存先への書き込み権限がないと変更を保存できません。
メールの添付ファイル、一時フォルダー、CD、共有フォルダー、クラウド上のPDFなどで発生しやすい問題です。
パソコンへ保存してから編集する
- PDFをデスクトップまたはドキュメントフォルダーへ保存します。
- 保存したPDFをデスクトップ版Acrobatで開きます。
- 編集後に「名前を付けて保存」を選択します。
- 書き込み可能なフォルダーへ別名で保存します。
メールソフトの画面から添付PDFを直接開いている場合は、先にファイルをパソコンへ保存してください。
Windowsで読み取り専用を確認する
- Acrobatを閉じます。
- PDFファイルを右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「全般」タブの「読み取り専用」を確認します。
- チェックが入っている場合は外します。
- 「適用」を選択してから「OK」を選択します。
- PDFを開き直して編集します。
会社の共有フォルダーで読み取り専用になっている場合は、管理者から書き込み権限を付与してもらう必要があります。
他のアプリがPDFを使用している
同じPDFを別のAcrobat、ブラウザー、プレビュー画面などで開いていると、上書き保存できないことがあります。
対象のPDFを開いている可能性があるアプリやウィンドウをすべて閉じてください。
上書き保存できない場合は、ファイル名を変更して別の場所へ保存できるか試してください。
一部の文字だけ編集できない場合
PDF内で使用されているフォントがパソコンにない場合は、文章の追加や置換ができないことがあります。
文字がアウトラインや画像へ変換されている場合も、通常のテキストとして編集できません。
- 同じフォントをパソコンへインストールします。
- 編集画面で利用可能な別のフォントへ変更します。
- スキャン画像の場合はOCRを実行します。
- アウトライン化された文字は作成元ファイルから修正します。
編集箇所が多い場合は、Word、Excel、PowerPoint、Illustratorなどの作成元ファイルを修正してPDFを作り直す方が確実です。
Acrobatの契約・ログイン状態を確認する
以前は編集できていたのに突然利用できなくなった場合は、Adobeアカウントやライセンス認証の問題が考えられます。
- 契約時と同じAdobeアカウントでログインしているか確認します。
- Acrobatの契約が有効になっているか確認します。
- インターネットへ接続した状態でAcrobatを再起動します。
- 一度ログアウトしてから再度ログインします。
- パソコンを再起動してライセンス状態を確認します。
会社や学校から提供されたAcrobatでは、管理者側で編集機能が割り当てられているか確認してください。
Acrobatを更新・修復する
保護や署名がなく、他のPDFも編集できない場合は、Acrobatの不具合やインストールの破損が考えられます。
Acrobatを最新版へ更新する
- Acrobatを起動します。
- 「ヘルプ」から「アップデートの有無をチェック」を選択します。
- 利用可能な更新がある場合はインストールします。
- 更新後にAcrobatを再起動します。
- PDFを開いて編集できるか確認します。
Windowsでインストールを修復する
- Acrobatを起動します。
- 左上のメニューから「ヘルプ」を選択します。
- 「インストールを修復」を選択します。
- 確認画面で「はい」を選択します。
- 画面の案内に従って修復を完了します。
- パソコンを再起動します。
修復しても改善しない場合は、Acrobatをアンインストールしてから再インストールする方法があります。
特定のPDFだけ編集できない時の確認順序
他のPDFは編集できるのに特定のPDFだけ編集できない場合は、次の順番で確認してください。
- 画面上部に保護やPDF/Aに関するメッセージがないか確認します。
- 「文書のプロパティ」の「セキュリティ」から編集権限を確認します。
- 署名パネルを開いてデジタル署名の有無を確認します。
- PDF/A表示モードを確認します。
- ページ全体がスキャン画像になっていないか確認します。
- PDFをパソコンへ保存してから開き直します。
- 元の作成者へ編集可能なPDFを依頼します。
特定のPDFだけで問題が発生する場合は、Acrobatを再インストールしても改善しない可能性があります。
すべてのPDFを編集できない時の確認順序
どのPDFも編集できない場合は、アプリや契約状態を中心に確認します。
- 無料のAcrobat Readerではなく有料版Acrobatを使用しているか確認します。
- ブラウザーではなくデスクトップ版Acrobatで開きます。
- 契約時のAdobeアカウントでログインします。
- Acrobatの契約が有効か確認します。
- Acrobatを最新版へ更新します。
- WindowsではAcrobatのインストールを修復します。
- 改善しない場合はAcrobatを再インストールします。
PDFを編集できない時によくある質問
パスワードを入力してPDFを開けるのに編集できないのはなぜですか
PDFを開くためのパスワードと編集制限を変更する権限パスワードが別に設定されている可能性があります。
「文書のプロパティ」から「セキュリティ」を開き、文書の変更が許可されているか確認してください。
PDF/A表示モードを解除すれば必ず編集できますか
PDF/A表示モードだけが原因であれば、設定を「適用しない」へ変更すると編集できます。
パスワード保護やデジタル署名も設定されている場合は、それぞれの制限を別に確認する必要があります。
署名済みPDFを編集する方法はありますか
自分だけが署名者で文書が完全にロックされていない場合は、「署名をクリア」して編集できることがあります。
他の人が署名している場合や文書がロックされている場合は、未署名のPDFを作成者から受け取ってください。
無料のAcrobat Readerで編集する方法はありますか
無料のAcrobat Readerでは、PDF本文に含まれる文章や画像を直接編集できません。
フォーム入力、コメント、電子サインなど、Readerで許可されている機能で目的を達成できるか確認してください。
「読み取り専用」と「編集禁止」は同じですか
ファイルの読み取り専用属性とPDF内部の編集制限は異なります。
ファイルの読み取り専用はパソコンや保存先の設定ですが、PDFの編集禁止はセキュリティや署名などの文書設定です。
両方が同時に設定されている場合もあります。
まとめ
AcrobatでPDFを編集できない場合は、最初に無料のAcrobat Readerやブラウザーで開いていないか確認してください。
特定のPDFだけを編集できない場合は、「文書のプロパティ」からセキュリティと編集権限を確認します。
デジタル署名されたPDFは改ざん防止のため編集が制限されるため、未署名のPDFが必要になる場合があります。
PDF/A準拠文書が読み取り専用で開く場合は、環境設定の「PDF/Aモードで文書を表示」を「適用しない」へ変更します。
保護ビューで開いている場合は、送信元が信頼できることを確認してから「すべての機能を有効にする」を選択します。
スキャンしたPDFではOCRによるテキスト認識が必要です。
編集権限やパスワードが分からない場合は、PDFの作成者へ編集可能なファイルを依頼してください。
編集前のPDFは残し、「名前を付けて保存」でコピーを作成してから作業しましょう。

