
申込書やアンケートなどのPDFは、フォームフィールドを設定すると、パソコン上で文字を入力したり項目を選択したりできるようになります。
Adobe Acrobatの「フォームを準備」を使用すれば、既存のPDFにテキスト入力欄やチェックボックスを追加できます。
WordやExcelで作成した書類や、紙からスキャンしたPDFを自動解析して、入力欄を作成することも可能です。
この記事では、Acrobatで入力できるPDFフォームを作成する方法と、テキスト欄・チェック欄の設定方法を解説します。
入力できるPDFフォームとは
入力できるPDFフォームとは、PDF上にテキストフィールド、チェックボックス、ラジオボタンなどのフォームフィールドを配置した文書です。
入力者はフィールドをクリックして、氏名や住所を入力したり、該当する項目へチェックを入れたりできます。
紙へ印刷して手書きする必要がなく、入力後のPDFを保存してメールなどで返送できます。
PDFフォームでは、次のような入力項目を作成できます。
- 氏名や住所を入力するテキストフィールドを作成できます。
- 複数の項目を選択できるチェックボックスを作成できます。
- 複数の選択肢から1つだけ選ぶラジオボタンを作成できます。
- 候補の一覧から選択するドロップダウンリストを作成できます。
- 電子サインやデジタル署名を追加する署名欄を作成できます。
- 入力内容を送信したりリセットしたりするボタンを作成できます。
普通のテキストボックスとフォームの入力欄の違い
PDF編集機能で追加する普通のテキストボックスと、フォーム機能で作成するテキストフィールドは異なります。
普通のテキストボックスはPDF本文の一部として固定されるため、配布された人が自由に入力するための欄にはなりません。
フォームのテキストフィールドは、入力者がクリックして文字を入力できる専用の領域です。
申込書やアンケートを配布する場合は、「PDFを編集」ではなく「フォームを準備」を使用してください。
PDFフォームの作成に必要なもの
PDFフォームを作成するには、フォーム作成機能を利用できるデスクトップ版のAdobe Acrobatが必要です。
この記事では、Acrobat Proのデスクトップ版を使用する手順を説明します。
無料のAcrobat Readerでは、既存のPDFに新しいフォームフィールドを作成できません。
作成済みのPDFフォームへの入力、保存、印刷は、無料のAcrobat Readerでも行えます。
「フォームを準備」が表示されない場合は、現在使用している製品名と契約プランを確認してください。
PDFフォームの元になる書類を準備する
先にWordやExcelなどで申込書の見た目を作成してから、Acrobatで入力欄を追加すると作業しやすくなります。
氏名、住所、電話番号などの項目名と、文字を入力するための空白を用意してください。
チェック欄を作る場所には、「希望する」「希望しない」などの選択肢を記載しておきます。
入力欄の位置を罫線や四角形で示しておくと、Acrobatの自動認識が成功しやすくなります。
元の書類が完成したら、PDF形式で保存します。
すでにPDFになっている申込書やスキャンした書類を、そのまま使用することもできます。
スキャン画像が傾いていたり文字が不鮮明だったりすると、入力欄を正しく認識できない場合があります。
可能であれば、傾きが少なく文字や罫線がはっきり見えるPDFを用意してください。
既存のPDFを入力可能なフォームに変換する方法
既存のPDFを開き、「フォームを準備」を実行すると、Acrobatが文書内の空白や罫線を解析します。
氏名欄や住所欄などが見つかると、テキストフィールドが自動的に配置されます。
- デスクトップ版のAcrobatを起動します。
- 入力可能にしたいPDFを開きます。
- 左上またはホーム画面の「すべてのツール」を選択します。
- ツール一覧から「フォームを準備」を選択します。
- 現在開いているPDFが選択されていることを確認します。
- 別のファイルを使用する場合は「ファイルを選択」から指定します。
- 署名を依頼する文書でなければ、「この文書には署名が必要です」は選択せずに進みます。
- 「フォームを作成」を選択します。
- Acrobatによる文書の解析が完了するまで待ちます。
- 自動的に作成されたフォームフィールドを確認します。
自動認識されたフィールドは、色付きの枠で表示されます。
画面内のフィールドをクリックすると、移動やサイズ変更ができます。
不要なフィールドが作成された場合は、選択してDeleteキーを押すか、右クリックして「削除」を選択します。
WordやExcelファイルから直接作成する場合
「フォームを準備」の「ファイルを選択」では、PDF以外にWordやExcelなどの文書を選択できる場合があります。
選択したファイルはPDFへ変換され、入力欄が自動的に検出されます。
変換後は文字や罫線の位置が崩れていないか確認してください。
レイアウトが崩れる場合は、WordやExcel側でPDFへ書き出してからAcrobatで開くと改善することがあります。
紙の申込書をスキャンして作成する場合
紙の申込書しかない場合は、「フォームを準備」の画面で「文書をスキャン」を選択できます。
スキャン後に文字認識とフォームフィールドの検出が行われます。
自動認識だけで完成するとは限らないため、すべてのページと入力欄を目視で確認してください。
不要な入力欄を削除し、認識されなかった部分には手動でフィールドを追加します。
空白ページからPDFフォームを作成する方法
元になるPDFがない場合は、Acrobatの空白ページからフォームを新規作成できます。
- Acrobatを起動します。
- Windowsではメニューから「フォームを準備」を選択します。
- Macでは「ファイル」から「フォームを準備」を選択します。
- 「空白のページから開始」を選択します。
- 「フォームを作成」を選択します。
- 「コンテンツを追加」から「テキスト」を選択します。
- 氏名や住所などの項目名をページへ追加します。
- 必要な位置へテキストフィールドやチェックボックスを配置します。
項目が多い申込書では、WordやExcelでレイアウトを作ってからPDFフォームへ変換する方が効率的です。
テキスト入力欄を追加する方法
自動認識されなかった場所には、テキストフィールドを手動で追加します。
- 「フォームを準備」の編集画面を開きます。
- 「フォームコンポーネントを追加」からテキストフィールドを選択します。
- 入力欄を配置したい場所をクリックします。
- ドラッグしてフィールドの大きさを調整します。
- フィールド名を入力します。
- 入力必須にする場合は「必須フィールド」を有効にします。
- フィールドの外側をクリックして配置を確定します。
作成したフィールドは、ドラッグして位置を移動できます。
枠の周囲にあるハンドルをドラッグすると、幅や高さを変更できます。
フィールド名は項目ごとに変更する
フィールド名は、PDF内部で各入力欄を識別するための名前です。
氏名欄には「name」、住所欄には「address」など、内容が分かる名前を設定します。
同じ名前のテキストフィールドを複数作ると、1か所に入力した文字が同じ名前の欄へ反映されます。
意図的に同じ内容を表示する場合を除き、それぞれ異なるフィールド名を設定してください。
フィールド名には、日本語を使用することもできます。
他のシステムへのデータ書き出しを予定している場合は、半角英数字を使用すると管理しやすくなります。
テキストフィールドのプロパティを設定する
テキストフィールドをダブルクリックすると、プロパティ画面が開きます。
プロパティでは、フィールド名、文字サイズ、複数行入力、文字数制限などを設定できます。
- 「一般」ではフィールド名、ツールヒント、読み取り専用、入力必須などを設定できます。
- 「表示方法」では枠線、背景色、文字色、フォント、文字サイズなどを設定できます。
- 「位置」ではフィールドの大きさや配置を数値で調整できます。
- 「オプション」では文字揃え、初期値、複数行、文字数制限などを設定できます。
- 「書式」では数字、日付、時刻、郵便番号などの入力形式を設定できます。
- 「検証」では入力できる数値の範囲などを設定できます。
- 「計算」では他のフィールドを利用した自動計算を設定できます。
プロパティの項目は、Acrobatのバージョンや選択したフィールドによって異なる場合があります。
氏名などの1行入力欄を設定する
氏名、電話番号、メールアドレスなどには、1行のテキストフィールドを使用します。
「複数行」を無効にし、欄の高さに合う文字サイズを設定してください。
入力する文字数が決まっている場合は、「文字の制限」で最大文字数を指定できます。
文字数を制限しすぎると長い氏名や住所を入力できなくなるため、余裕を持った数値にしてください。
住所や備考欄を複数行入力にする
住所、質問内容、備考などの長い文章を入力する欄は、複数行に設定します。
- 対象のテキストフィールドをダブルクリックします。
- プロパティの「オプション」タブを開きます。
- 「複数行」を有効にします。
- 必要に応じて「長いテキストをスクロール」を有効にします。
- プロパティを閉じて入力を確認します。
入力した文章を印刷する場合は、スクロールしないと見えない文字が残っていないか確認してください。
すべての文字を印刷したい場合は、フィールド自体を十分な大きさにしておくことが重要です。
入力必須の項目を設定する
氏名や連絡先など、必ず入力してほしい項目は必須フィールドに設定できます。
- 対象のフィールドをダブルクリックします。
- プロパティの「一般」タブを開きます。
- 「必須」を有効にします。
- プロパティを閉じます。
必須に設定したフィールドは、フォーム上で枠が強調表示される場合があります。
PDFを保存するだけでは未入力を完全に防げない場合もあるため、実際の送信方法に合わせて動作を確認してください。
ツールヒントを設定する
ツールヒントは、フィールドの内容を入力者や読み上げソフトへ伝えるための説明です。
フィールド名だけでは内容が分かりにくい場合は、「電話番号を半角数字で入力」などの説明を設定します。
見た目では項目名が分かる場合でも、ツールヒントを設定するとフォームの操作性とアクセシビリティが向上します。
チェック欄を追加する方法
利用規約への同意や希望項目など、該当する項目を選択してもらう場合はチェックボックスを使用します。
- 「フォームを準備」の編集画面を開きます。
- 「フォームコンポーネントを追加」からチェックボックスを選択します。
- チェック欄を配置したい場所をクリックします。
- 必要に応じて大きさを調整します。
- 内容が分かるフィールド名を入力します。
- 必須項目にする場合は「必須フィールド」を有効にします。
- フィールドの外側をクリックして配置を確定します。
チェックボックスが小さすぎると、スマートフォンやタブレットで選択しにくくなります。
項目名と重ならない範囲で、クリックしやすい大きさにしてください。
チェックボックスのプロパティを設定する
チェックボックスをダブルクリックすると、チェック時の記号や書き出し値を設定できます。
- 「一般」ではフィールド名、ツールヒント、読み取り専用、入力必須などを設定できます。
- 「表示方法」では枠線、背景色、線の太さなどを設定できます。
- 「オプション」ではチェックマークの形、書き出し値、初期状態などを設定できます。
「チェックボックスをデフォルトでオンにする」を有効にすると、PDFを開いた時点でチェックが入った状態になります。
入力者が自分で意思を確認する項目では、通常はオフの状態から開始します。
書き出し値とは
書き出し値は、チェックされた項目をデータとして取り出す時に使用される値です。
例えば、連絡方法の「電話」に「phone」、「メール」に「email」という値を設定できます。
入力済みフォームをPDFとして保存するだけであれば、初期値のままでも使用できます。
フォームデータを集計したり別のシステムへ読み込んだりする場合は、内容が分かる書き出し値を設定してください。
複数のチェックボックスは別々の名前にする
複数の項目を独立して選択できるようにする場合は、チェックボックスごとに異なるフィールド名を設定します。
同じ名前や設定をコピーしたままにすると、複数のチェックボックスが連動することがあります。
「資料請求」「電話連絡」「メール連絡」など、選択肢ごとに区別できる名前を付けてください。
チェックボックスとラジオボタンの違い
チェックボックスは、複数の項目を同時に選択してよい場合に使用します。
ラジオボタンは、複数の選択肢から1つだけ選んでもらう場合に使用します。
- 興味のある項目を複数選ぶ場合はチェックボックスを使用します。
- 「はい・いいえ」のどちらか一方を選ぶ場合はラジオボタンを使用します。
- 希望する連絡方法を1つだけ選ぶ場合はラジオボタンを使用します。
- 複数の同意項目を個別に確認する場合はチェックボックスを使用します。
「はい」と「いいえ」をチェックボックスで作ると、両方を選択できてしまいます。
必ず1つだけ選択させたい質問には、ラジオボタンを使用してください。
同じ形の入力欄をコピーする方法
住所や電話番号など、同じ大きさの入力欄を複数作る場合は、既存のフィールドをコピーすると効率的です。
対象のフィールドを選択し、コピーと貼り付けを行ってから配置を調整します。
コピーしたフィールドには元と同じフィールド名が設定される場合があります。
内容を連動させない場合は、コピー後に必ずフィールド名を変更してください。
入力欄の位置と大きさをそろえる
複数のフィールドを選択すると、位置や間隔をまとめて調整できます。
- Shiftキーを押しながら、そろえたいフィールドを選択します。
- 「フォームを準備」パネルの「整列」を確認します。
- 左揃え、右揃え、上揃え、下揃えなどを選択します。
- 必要に応じて水平方向または垂直方向へ均等配置します。
- プレビュー画面で位置を確認します。
入力欄の幅や高さがそろっていると、見た目が整うだけでなく入力位置も分かりやすくなります。
Tabキーで移動する順番を設定する
PDFフォームでは、Tabキーを押すと次の入力欄へ移動できます。
自動認識やフィールド追加の順番によっては、上下左右へ不規則に移動することがあります。
フォームを配布する前に、タブ移動の順番を確認してください。
- 「すべてのツール」から「フォームを準備」を開きます。
- フィールドパネルのオプションを開きます。
- 「タブ番号を表示」を選択します。
- 各フィールドに表示された番号を確認します。
- 「タブ移動の順序を手動で設定」を選択します。
- フィールドパネル内の項目をドラッグして順番を変更します。
- ページの上から下へ自然に移動する順番に整えます。
氏名、住所、電話番号、メールアドレスなど、入力者が迷わない順番に設定してください。
プレビューで入力テストを行う
フォームフィールドの配置が終わったら、「プレビュー」を使用して入力者と同じ状態を確認します。
- 「フォームを準備」パネルの「プレビュー」を選択します。
- すべてのテキストフィールドへ文字を入力します。
- チェックボックスやラジオボタンを選択します。
- Tabキーを押して移動順を確認します。
- 長い氏名や住所を入力して文字が切れないか確認します。
- 日本語の入力や変換が正常に行えるか確認します。
- 入力後のPDFを保存します。
- 保存したPDFを閉じてから開き直します。
- 入力内容が残っていることを確認します。
修正する場合は、「編集」を選択してフォーム編集画面へ戻ります。
無料のAcrobat Readerでも確認する
作成したパソコンのAcrobatだけでなく、無料のAcrobat Readerでも入力テストを行うことをおすすめします。
入力者が使用する環境に近い状態で、入力、チェック、保存、印刷を確認してください。
ChromeやEdgeなどのブラウザー内蔵PDFビューアーでは、一部のフォーム機能が正しく動作しない場合があります。
動作が不安定な場合は、PDFをダウンロードしてAcrobat Readerで開くよう案内してください。
PDFフォームを保存して配布する
入力テストが終わったら、元のPDFとは別のファイル名で保存します。
元データを残しておくと、フィールド設定を間違えた場合や配布後に修正する場合に対応しやすくなります。
- 「ファイル」から「名前を付けて保存」を選択します。
- 保存先を指定します。
- 内容が分かるファイル名を付けます。
- PDFを保存します。
- 保存したPDFを開き直して最終確認します。
入力者へ配布するファイルには、テストで入力した氏名や住所などを残さないようにしてください。
プレビューで入力した内容が残っている場合は、フォームをクリアしてから保存します。
フォームを作成できない時の対処法
「フォームを準備」が表示されない
無料のAcrobat Readerを使用している場合は、新しいフォームフィールドを作成できません。
製品名を確認し、フォーム作成機能を利用できるデスクトップ版AcrobatでPDFを開いてください。
有料版を契約している場合は、契約時と同じAdobeアカウントでログインしているか確認します。
ツール一覧に見つからない場合は、「すべてのツール」の「さらに表示」も確認してください。
入力欄が自動認識されない
罫線が薄いPDFや複雑なレイアウトでは、入力欄が自動認識されないことがあります。
自動認識されなかった場所には、テキストフィールドやチェックボックスを手動で追加してください。
スキャンしたPDFでは、傾き、汚れ、低い解像度などが認識精度に影響します。
元の文書を修正できる場合は、入力欄の罫線や空白を分かりやすくしてからPDFを作り直します。
不要な場所に入力欄が作成される
Acrobatは、罫線や空白を入力欄と判断することがあります。
不要なフィールドを選択し、Deleteキーまたは右クリックの「削除」で取り除いてください。
ページ数が多いPDFでは、各ページを順番に確認して誤認識されたフィールドを削除します。
1か所に入力すると別の欄にも同じ文字が入る
複数のテキストフィールドに同じフィールド名が設定されています。
連動させたくないフィールドをダブルクリックし、「一般」のフィールド名を変更してください。
コピーして作成した入力欄では、元のフィールド名が引き継がれていないか確認します。
複数のチェックボックスが一緒に切り替わる
複数のチェックボックスに同じフィールド名や書き出し値が設定されている可能性があります。
独立して選択させたい場合は、各チェックボックスに異なるフィールド名を設定します。
選択肢から1つだけ選ばせたい場合は、チェックボックスではなくラジオボタンを使用してください。
入力した日本語が切れる
文字サイズが大きすぎるか、テキストフィールドの高さや幅が不足している可能性があります。
フィールドを広げるか、プロパティの「表示方法」から文字サイズを小さくしてください。
住所や備考などの長い文章では、「複数行」を有効にします。
入力する人によって文字数が変わるため、長い氏名や住所でも表示できるかテストしてください。
入力した内容を保存できない
ブラウザー内蔵のPDFビューアーや一部のPDFアプリでは、フォームの保存に対応していない場合があります。
PDFをパソコンへダウンロードし、最新版のAcrobat Readerで開いてから入力してください。
メールの添付ファイルを直接開いている場合は、デスクトップやドキュメントフォルダーへ保存してから入力します。
ファイルや保存先が読み取り専用になっていないかも確認してください。
入力はできるが印刷すると文字が出ない
使用しているPDFビューアーとプリンタードライバーの組み合わせによっては、フォームの文字が正しく印刷されないことがあります。
最初に最新版のAcrobatまたはAcrobat Readerから印刷してください。
印刷画面のプレビューで入力内容が表示されているか確認します。
改善しない場合は、入力済みPDFのコピーを作成してから印刷方法を見直してください。
PDFフォームを作成する時の注意点
元のPDFを残しておく
フィールドを削除したり名前を変更したりすると、以前に入力されたデータとの対応関係が変わることがあります。
フォーム編集前のPDFと完成版のPDFを別々に保存してください。
配布後に修正する場合は、ファイル名や更新日を変更して新旧を区別します。
個人情報を含むテストデータを残さない
氏名、住所、電話番号などを入力してテストした場合は、配布前にすべて削除してください。
画面上で空欄に見える場合でも、一度保存して開き直して確認します。
フォームデータを収集する場合は、保存場所や送信方法の安全性にも注意してください。
パスワード保護は完成後に設定する
編集制限が設定されたPDFでは、フォームフィールドを追加できない場合があります。
フォームを完成させて入力テストを行った後で、必要なセキュリティ設定を追加してください。
保護後も入力、保存、印刷が許可されているか、配布用ファイルを開き直して確認します。
ブラウザーだけで動作確認しない
ブラウザー内蔵PDFビューアーは、Acrobatのフォーム機能へ完全に対応していない場合があります。
入力者へ確実に利用してもらう必要がある場合は、Acrobat Readerで開く方法も案内してください。
送信ボタン、計算、入力チェックなどを設定したフォームでは、複数の環境で動作を確認することが重要です。
入力できるPDFフォームについてよくある質問
無料のAcrobat ReaderでPDFフォームを作れますか
無料のAcrobat Readerでは、既存のPDFへ新しいフォームフィールドを作成できません。
作成済みフォームへの入力、チェック、保存、印刷は行えます。
入力する人もAcrobat Proが必要ですか
作成済みの一般的なPDFフォームへ入力するだけであれば、無料のAcrobat Readerを使用できます。
入力者がブラウザーで開いた場合は正常に動作しないことがあるため、事前に確認してください。
Wordで作った申込書を入力可能なPDFにできますか
Wordで作成した申込書をPDFへ変換し、Acrobatの「フォームを準備」で入力欄を追加できます。
氏名欄や住所欄などが自動認識されない場合は、テキストフィールドを手動で追加してください。
チェックボックスを1つだけ選択できるようにできますか
複数の選択肢から1つだけ選ばせたい場合は、チェックボックスではなくラジオボタンを使用します。
チェックボックスは、複数の項目を同時に選択できる質問に適しています。
入力欄の文字サイズを自動調整できますか
テキストフィールドのプロパティで、文字サイズを自動に設定できる場合があります。
入力する文字数に合わせて文字が小さくなるため、長い氏名や住所でも欄内に収めやすくなります。
文字が小さくなりすぎないように、フィールドの幅にも余裕を持たせてください。
入力したPDFをメールで返送してもらえますか
入力者がフォームへ記入した後、PDFを保存してメールへ添付すれば返送できます。
個人情報や機密情報を扱う場合は、通常のメール添付で問題がないか送信方法を検討してください。
まとめ
Acrobatで入力できるPDFを作成する場合は、「すべてのツール」から「フォームを準備」を選択します。
既存のPDF、Word、Excel、スキャン文書などを解析して、入力欄を自動的に作成できます。
自動認識されなかった場所には、テキストフィールドやチェックボックスを手動で追加します。
テキストフィールドでは、フィールド名、入力必須、複数行、文字数制限、文字サイズなどを設定できます。
複数選択できる項目にはチェックボックスを使用し、1つだけ選択する項目にはラジオボタンを使用します。
コピーしたフィールドは同じ名前になっている場合があるため、意図せず入力内容が連動しないように確認してください。
完成後はプレビューで文字入力、チェック、Tabキーの移動順、保存、印刷をテストします。
無料のAcrobat Readerでも入力できることを確認してから、完成したPDFフォームを配布しましょう。

